雑記

数学について書きたい

総和総乗等式

 総和と総乗

突然ですが、皆さんは以下の等式を見て何を感じますか?

2+2=2\times2

こんなの当たり前すぎて何も感じない?よく見て下さい。2つの数の和と積が等号で結ばれています。

それでは次の式はどうでしょうか。

1+2+3=1\times2\times3

 

これもやはり、3つの数の和と積が等号で結ばれていますね。

さらに調べてみると、以下の等式が成り立つことが分かりました。

 

1+1+2+4=1\times1\times2\times4
1+1+1+2+5=1\times1\times1\times2\times5
1+1+1+1+2+6=1\times1\times1\times1\times2\times6
\cdots


ここから次のことが言えそうです。

j個の自然数の組 (x_1,x_2,\ldots,x_j) が存在する時、その内訳が「1が(j-2)個、21個、j1個」ならば、それらの総和と総乗は等しい。

(ただしjは2以上の自然数) 


実際に確かめてみましょう。(以下、上記の命題におけるカギカッコ内の部分を「条件」とします)

j個の自然数の組が「条件」を満たすとき、

総和は

1\times(j-2)+2+j=2j

総乗は

1^{(j-2)}\times2\times j=2j

となり、これは任意のjについて成り立つことから、上記の命題は確かに正しいです。
また総和と総乗がそれぞれ2jに等しいことも分かりました。

 

 総和総乗等式

ところで、上記の命題は内容の単純さに比べて少し冗長ですよね。なるべく分かりやすく表現しようと思ったのですが、文章ではこれが精一杯でした。あるいは一つの式で簡潔に表現出来れば良いのですが、どうしたものか…
考えた結果、クロネッカーのデルタを用いて表現することが出来ました。

クロネッカーのデルタとは、以下のように定義される二変数関数です。

f:id:Akbar:20200516225507p:plain
本来は行列などで使う記号(らしい)ですが、便利なので使っちゃいましょう。

「条件」を満たすj個の自然数の組 (x_1,x_2,\ldots,x_j) は、変数 i (ただし i は 1\leqq i\leqq j を満たす自然数)を用いて以下のように構成できます。

x_i=\delta_{i+1,j}+j^{\delta_{i,j}}


理由は簡単です。

(1) j\geqq3 かつ 1\leqq i\leqq j-2 の時、
\delta_{i+1,j}=0,\,\delta_{i,j}=0  より  x_i=0+j^0=1

(2) i=j-1 の時、
\delta_{i+1,j}=1,\,\delta_{i,j}=0  より  x_i=1+j^0=2

(3) i=j の時、
\delta_{i+1,j}=0,\,\delta_{i,j}=1  より  x_i=0+j^1=j

よって x_iは「条件」を満たしてくれるので、後はこれらの総和と総乗を表せばいいだけです。
従って、以下の総和総乗等式が導けました。

2以上の自然数j に対し、 x_i=\delta_{i+1,j}+j^{\delta_{i,j}} とすると
\displaystyle{ \sum_{i=1}^j x_i=\prod_{i=1}^j x_i=2j}

 
感想

j=1 の時、x_1 の総和と総乗が等しいのは自明ですが、上記の等式ではj\geqq2となっています。その理由は j=1 の時のみ (総和)=(総乗)=1であるのに対し2j=2であるためで、故にjは2以上という条件をつけざるを得ませんでした。本当は自然数jと書けた方が簡潔で美しいのに。