ハイパー演算子と特殊な場合
加法、乗法、冪乗を一般化したハイパー演算子という概念があります。
と表され、非負整数 の値によって演算が変わります。
具体的には
といった具合です。
で加法、 で乗法、 で冪乗ですね。
の場合について、 はテトレーションと呼ばれます。
加法の繰り返しで乗法、乗法の繰り返しで冪乗となるように、テトレーションは冪乗を繰り返した演算で、一般的にその計算結果は非常に大きくなります。
例えば、 です。
同様にして の場合も考えられますが、その計算結果はテトレーションよりも遥かに大きくなります。 が増えるほど計算結果が爆発的に大きくなるのがハイパー演算子の特徴です。
の場合は?
実は となります。 は関係ないんですね。
詳しくは説明しませんが、再帰的に定義するにあたってこれが都合良いようです。
ハイパー演算子は、次のように再帰的に定義されます。
特殊な場合
のとき、以下の式が成り立ちます。
これを確かめてみます。
確かに成り立っていますね。
証明
再帰的定義を用いてこれを証明します。
以下、 を と簡略化します。
のとき、定義より自明。
のとき
より、 のとき
のとき
より、 の時
よって示された。
のときは
と非常に大きくなっていくのに対して、 のときは
とずっと変わりません。不思議ですね。